バランスとは?-バランスに関わる身体機能と評価-

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この記事はバランスとは何か?バランスに関わる身体機能と評価についてまとめています。

また、バランス課題の難易度調節の方法についても触れています。

 

バランスとは?

バランスとは姿勢や動作の安定性のことを指します。

バランスには静的バランスと動的バランスの2つがあります。

 

静的バランスとは

静的バランスとは静止肢位を保持する能力です。

静止肢位は身体重心が支持規定面内の一定の位置にあることが条件です。

 

そのうえで静的バランスが低下している状態とは以下のような状態です

  • 身体重心が支持基底面の中央になく、偏位している状態
  • 身体重心の動揺が大きい状態
  • 支持基底面が小さい状態

 

これらの原因には様々なものがあります。

たとえば、筋トルクが小さいと身体重心の動揺が大きくなります

また、体性感覚が障害されている場合は視覚が遮断された状態よりも身体重心の動揺が大きくなることが報告されています。

 

支持基底面が小さくなるケースには構造的なものと機能的なものがあります。

構造的なものは足趾の欠損など、身体の一部がなくなっている状態などです。

機能的なものは感覚障害などで足趾が接地している感覚が得られない状態などです。

 

動的バランスとは

動的バランスは2つの能力を指します。

  1. 身体重心を支持基底面内で移動させる能力
  2. 身体重心の支持基底面外への移動に合わせて、新しい支持基底面を作る能力

 

動的バランスが低下している状態には以下のものがあります。

  • 身体重心を支持基底面内で移動させられない状態(例:上肢リーチができない)
  • 身体重心を新しい支持基底面がある方向に移動できない状態(例:ステップで転倒を防ぐことができない)
  • 周期的な運動に空間的、時間的な乱れがある状態(例:歩幅が一定しない)

 

ちなみに、股関節屈曲筋と膝関節伸展筋の筋力はステップ反応と関わりがあると言われています。

 

バランスに関わる身体機能

バランスには様々な身体機能が関わります。

バランスを考えるにあたってはLoadらのシステム理論が有名です。

 

システム理論ではバランスの関わる身体機能として以下のものを挙げています。

  • 反応時時間(認知)
  • 視覚
  • 前庭感覚
  • 体性感覚
  • 筋力
  • 神経筋調節

 

これらの機能がお互いに影響し合ってバランスを保つことができます。

 

バランスの評価

身体機能の評価にはシステム理論で上がったものについてみていきます。

 

  • 反応時間(認知)…見当識障害、半側空間無視、注意障害
  • 視覚…視力、視野
  • 前庭感覚…めまい、頭位眼振(変換)検査
  • 体性感覚…表在感覚、深部感覚
  • 筋力…MMT、HHD
  • 神経筋調節…筋緊張、協調性

 

バランスそのものの評価には以下のものがあります。

  • Berg Balance Scale(BBS)
  • Balance Evaluation Systems Test(BESTest)
  • Timed Up and Go test(TUG)
  • static balance test
  • sit to stand test
  • side step test

 

BESTestはバランスをシステム理論の観点で評価できるので、評価後のアプローチも考えやすいです。

しかし、評価項目が多いため実施に40分以上の時間がかかってしまいます。

この問題を解消するために評価項目を少なくし、臨床でも実施しやすくしたMini-BESTestBrief-BESTestがあります。

 

バランス課題の難易度を調整する方法

バランスの向上にはバランスを構成する身体機能の向上が必要ですが、それだけでは十分ではありません。

それぞれの機能を総動員する必要があり、そのためにはバランス課題で運動学習していくことが大切です。

 

そして、運動学習には適切な難易度設定が必須です。

 

バランス課題の難易度調整には以下のものを組み合わせます。

  • 支持基底面の大きさ
  • 身体重心位置の高さ
  • 感覚の遮断(閉眼で視覚を遮断、クッションで表在感覚を遮断)
  • 静的か動的か
  • 運動速度
  • 二重課題の有無

 

まとめ

バランスとは何かということと、バランスに関わる身体機能と評価についてまとめました。

 

バランスは様々な身体機能が関わるので考えるのが難しいですが、静的・動的バランスとシステム理論を理解することでグッと考えやすくなります。

 

参考文献

  • 市橋則明編(2016)『理学療法評価学 障害別・関節別評価のポイントと実際』文光堂.
  • 市橋則明編(2014)『運動療法学 第2版』文光堂.
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ABOUTこの記事をかいた人

こんにちは。イッコロといいます。 大阪府の理学療法士です。 病院で勤務しています。