勉強嫌いの僕が1年間で認定理学療法療法士をとった経緯と方法

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僕は仕事以外の時間で仕事や勉強をするのが嫌いでした。

8:00に職場に着いて、定時は17:00
だけどサービス残業をして、家に帰るのが平均21:00、遅いときで23:00
帰ってからや休日は勉強会の資料作り、外部の仕事の手伝い

自分の時間がなかったので、それに加えて勉強だなんて虚しくて…

そんな状況だったので時間をかけて認定理学療法士をとるなんて考えられず、仮にとったとしても研修会費や認定理学療法士の更新料で費用がかかり、安月給で苦しい生活がさらに苦しくなるので認定理学療法士をとる意味が分からなかったです。

しかし、こんな僕でも認定理学療法士となりました。

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認定理学療法士をとるメリット

雇われ理学療法士はどれだけ質の高い理学療法を患者さんに提供しても給料が増えることはほぼありません。
給料があがるのは稀だと思います。

なぜかというと、国で理学療法1単位の診療報酬が定まっているからです。
なので、仮に雇い主が理学療法士の給料を上げてあげたいと考えていても単位数(量)として診療報酬が定まっている以上、それは困難なのです。

これでは理学療法士のモチベーションが低下し、質の低い理学療法が広まってしまうのも仕方ないことだと思います。

「医療職が金で動くなよ。」
と言われるかもしれませんが、医療職も人間です。
食べるためにお金は必要です。
頑張ったらご褒美がないとやっていけません。

「患者さんのありがとうが報酬じゃないの?」
たしかに患者さんに感謝してもらえることは嬉しいですが、僕はそんな聖人ではありませんでした。

患者さんへ良い理学療法を提供するために研修会や学会で自己研鑽するにしても、それにかかる費用は自己負担なのでカツカツの給料ではそんな余裕もありません。

しかし、日本理学療法士協会はこの現状を打開すべく、将来的に認定理学療法士が理学療法を行った場合には通常の診療報酬に加算されるよう動いています。

つまり、認定理学療法士は認定を持たない理学療法士よりも給料が高くなる可能性があるのです。

もしそれが実現しなくても、今後のさらなる理学療法士の増加と高齢人口の減少により確実に理学療法士の供給過多が進むため、質の低い理学療法士は淘汰されることになります。

そうなったとき、認定理学療法士であると評価を得られやすく生き残れる可能性があがります。

このように、認定理学療法士であることは給料面と安定性においてメリットがあるのです。

 

”1年間で”認定理学療法士になろうと決心した理由

 先ほど書いた認定理学療法士をとるメリットを認識した僕でしたが、それでもすぐには決心できませんでした。

認定理学療法士の取得には

  • 新人教育プログラムの修了
  • 新人教育プログラム修了後、専門領域を登録して2年経過
  • 生涯学習ポイントを180ポイント取得
  • 症例報告を10症例
  • 認定理学療法士試験に合格

が必要だからです。

幸い、職場の方針で新人教育プログラムを修了することになっていたので上の2つの条件はクリアしていましたが、残りの3つの条件がヘビーなのでためらっていました。

しかし、そんな僕でも決心がつきました。

理由は

  • ほぼ定時に帰れる職場に転職し、時間に余裕ができたから
  • 結婚し、家庭を守るために将来的に給料Upと職の安定が必要になったから
  • 理学療法士協会の生涯学習制度が○年から変わるから

です。

特に生涯学習制度が変わるというのが理由として大きかったです。

平成33年4月から生涯学習制度が変わる

現在の制度から大きく変わり、平成33年4月からは認定理学療法士なるために

  • 研修理学療法士プログラム
  • 登録理学療法士プログラム
  • 認定理学療法士プログラム

のステップを踏むことが必要になります。

研修理学療法士プログラムとは

最低履修期間が新人教育プログラムでは1年間(13時間)だったのが、研修理学療法士では2年間(91.5時間)に延長されます。

かなり長くなりますね(;゜O゜)

しかし、全講座がe-learningでも受講可能になり、受講しやすくなります。

そして、合計48時間の実地研修が加わります。
実地研修は今のところ自施設での研修を想定されていますが、指導者が不在の場合は外部施設での研修になります。

実地研修指導者の要件が不明なので、要件によっては大部分の人が外部施設での研修となるかもしれません。

研修理学療法士のプログラムは全て無料で受講することができます。

登録理学療法士プログラムとは

認定理学療法士までの水準には達していないが、日々努力している理学療法士を協会が評価し学習を支援するものです。

ですので、供給過多になっている理学療法士の中でも選ばれる理学療法士の条件となることが予想されます。

登録理学療法士は5年の更新制となることが検討されています。
登録理学療法士のプログラムは士会による研修と業者によるe-learningで全て有料であることが計画されています。

履修期間は69時間で、さらに研修理学療法士プログラム終了後に6000時間以上の臨床経験が求められます。

なので、最短で登録理学療法士になるには卒後5年間(研修理学療法士2年+6000時間)が必要です。

認定理学療法士プログラム

現在は最低履修期間24時間ですが、制度変更後は514.5時間(座学研修274.5時間+臨床研修240時間)に変更となります。

更新は引き続いて5年です。

このように認定理学療法士になる条件がかなり厳しくなるので、現行の制度で認定理学療法士となっても新制度でも認定理学療法士でいられるとは限りません。

社会的に認められるためにせっかく厳しい取得条件にしたのに、その中に制度変更前の比較的に緩い条件で認定理学療法士になった人が混ざっていたら意味がないですもんね。
個人的にはツライですが(笑)。

なので、現在の制度で認定理学療法士になっている場合、制度変更後は”暫定”認定理学療法士のような立ち位置になり、正式に認定理学療法士になるには追加で研修などを受けなければならないんじゃないかと僕は予想しています。

しかし、もしそうであっても、一から認定理学療法士になるよりかは比較的簡単に正式な認定理学療法士になれんじゃないかと考えています。

つまり

このように、理学療法士の質を底上げし、診療報酬に加算してもらうために今後の認定理学療法士へのステップはかなり厳しくなります。

変更後の制度で認定理学療法士になるのは時間的にも経済的にもかなり厳しいです。
子どもができてからでは取れる気がしません…

なので、僕は現行の生涯学習制度で認定理学療法士になろうと思いました。

より確実に認定理学療法士になるために、認定試験に落ちても何度かチャレンジできるように目標は1年間で認定を取ることを決心しました。

1年間で認定理学療法士になった方法

僕は新人教育プログラムを修了していたので、生涯学習ポイントと症例報告、認定試験勉強を1年間で済ませる必要がありました。

生涯学習ポイントの集め方

180ポイントが必要です。
その内訳は

  • 新人教育プログラムで20ポイント
  • 指定研修で20ポイント
  • 各領域の必須研修で20ポイント
  • 各領域の要件に即した100ポイント

です。

新人教育プログラムと指定研修と必須研修は必ず修了しなければいけません。
各領域の要件に即したポイントは自分が希望する領域の要件を満たす研修会や学会を選んで参加します。

新人教育プログラムを含めて、いずれの研修会や学会の情報は日本理学療法士協会や各都道府県の理学療法士会に掲載されているのでスケジュールをよく確認しましょう。

僕は5月に認定理学療法士を取得する決心をして、認定試験申請の期限までの11月末までで周辺の都道府県で開催される研修会や学会のケジュールをすべてチェックしました(もちろんポイントだけでなく、興味がある研修会をチェックしました)。

ひと月で生涯学習ポイントを20ポイント取得することを目標にし、毎月1~2つの研修会や学会に参加するようにしました。

新人教育プログラム

現行の制度では1年間で終了することができます。
開催日はあらかじめ決まっているので、これから修了する人はスケジュールをよく確認しておきましょう。

指定研修

すべての領域共通の研修です。
開催される都道府県が限られており、参加人数も上限があります。

なので、募集がすぐに締め切られてしまいます。
募集開始15分後には締め切られていたと知り合いが嘆いていました。

必須研修

各領域で設けられています。
こちらも開催都道府県と人数に限りがあります。

しかし、領域によってはe-learningで昨年度の研修を受講することができ、ポイントを取得できます。
ですが、あくまで昨年度ですので今年の講義と少し内容がことなる場合があります。

救済措置として、後日に今年度の講義の資料データをもらえるものの講師の方が認定試験に重要なポイントを口頭で言うことがあるので、できるだけ今年度分を受講することをおすすめします。

ちなみに僕はe-learningで受講しました。

各領域の要件に即した研修会、学会

理学療法士協会や理学療法士会の研修や学会、企業が開催している理学療法士向けのセミナーがあります。

これらの研修会で獲得できる生涯学習ポイントは5~20ポイントです。

20ポイントの研修会は協会が開催しているもので多く、10~20ポイントは士会のものが多いです。

企業の研修会はほぼ5ポイントです。

研修会の参加費用は士会のものが最も安い(無料~3000円程度)ことが多く、協会は5000~8000円、企業は10000円前後です。

その研修会や学会でどの領域の何ポイントが獲得できるかはそれぞれの参加案内に掲載されています。

掲載されていない場合、獲得できるポイントは0となります。

症例報告の書き方

症例報告は10例が必要になります。

理学療法士協会ホームページ内の認定理学療法士の取得や更新のページに各領域の症例報告の書き方の例や注意点が掲載されています。

書き方の例はかなりシンプルに書かれていますが、僕は確実に合格したかったので症例の予後や治療効果のエビデンスを示すような文献をからめて書きました。

理学療法士協会は「根拠ある理学療法(EBPT:Evidence Based Physical Theraphy)」を推進しています。

なので、珍しい症例であることや斬新な治療法であることをアピールするのではなく、一般的なものでもあくまで文献を参考にして治療を進めたことをアピールするようにしました。

僕は6月から症例報告を書き始めたので、ひと月に2症例のペースで書きました。
症例報告は1000~1200字で書かなければならないので、内容よりもこの範囲に文字数を収めるのに苦労しました(;´Д`)

認定試験の対策

試験は指定研修や必須研修の内容から出題されます。
問題数はそれほど多くなく、回答はマーク式です。

しかし、あなどることなかれ。

こんなところ出題されないだろうと思っていた細かい部分を問われたり(学校の社会科目を彷彿とします)、回答の選択肢がややこしいものがいくつかありました。

僕は11月末に認定理学療法士の申請書類を提出してから試験勉強を始め、研修のスライドを見て復習しました。

申請領域の理学療法ガイドライン(日本理学療法士学会ホームページの学術情報のページに掲載されています)にも目を通しました。
推奨グレードとエビデンスレベルは要チェックです。

認定理学療法士になってから僕が変わったこと

上に書いたことを実行して何とか1年間で認定理学療法士になることができました。

ですが認定理学療法士になったからといって、もちろん給料はあがることはなかったです。
それどころか試験や研修会費がかかり、勉強のために余暇の時間も削りました。

でも、認定理学療法士になって良かったと思っています。
勉強嫌いだったのに…

理由は

  • エビデンスの活用方法を知ることができた
  • クリニカルリーズニングが何であるかを知ることができた
  • 自身と責任感がもてるようになった

からです。

僕はこれまで理学療法という決定的な正解のない世界に違和感を感じていました。
患者さんの人生に影響する国家資格なのに正解がなくていいのかと。

そして、正解がないのに先輩から「この方法で理学療法をしろ」と言われるのに嫌気がさしていました。
先輩が言う方法が正解というわけでもないのにと。

しかし、エビデンスやクリニカルリーズニングを知ることでこの悩みが少し解けました。

そもそも患者さんや理学療法士は一人ひとり違う人間なので同じ方法で同じ効果が出せるとはありません。
理学療法を行う設備も異なります。

理学療法を行うにあたってこれだけ変動する要素があるので、理学療法に正解がないのはむしろ当たり前なのです。

そして、クリニカルリーズニングとはそんな正解のない世界で患者さんと自分、環境、エビデンスを加味して可能な限り最善な理学療法を選択する過程だということを知りました。
正解は人それぞれにあるのです。

人それぞれの正解を追い求められることが理学療法士が国家資格たる所以なのだと思えるようになりました。

認定理学療法士をとる過程でこれらを実感し、気持ちが軽くなり、以前よりも自分から進んで勉強できるようになりました。

そして、自分の理学療法に自信と責任感を持てるようになりました。

まとめ

認定理学療法士になるメリット、僕が認定理学療法士になった経緯と方法、認定理学療法士になってから僕が変わったことについて書きました。

これから認定理学療法士をとろうと考えている人の参考になれば幸いです。

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ABOUTこの記事をかいた人

こんにちは。イッコロといいます。 マイペースに勉強している運動器認定理学療法士です。 大阪府の病院で回復期の整形外科疾患と中枢神経疾患の理学療法を担当しています。