頚椎症の評価とリスク管理

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この記事は頚椎症の画像と神経症状の評価、リスク管理について書いています。
頚椎症の評価とリスク管理

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  • 椎間板腔の狭小化
  • 椎体辺縁部の骨硬化と骨棘形成
  • 椎間関節の変性と狭小化
  • 靭帯の肥厚と骨化

これらの所見を確認し、疼痛や神経症状との関係を評価します。

神経症状があれば神経根の圧迫なのか、脊髄の圧迫なのかを確認します。
神経根の圧迫の場合は頚椎症性神経根症(好発部位はC3~C7椎間)といい、脊髄の圧迫の場合は頚椎症性脊髄症といいます。

神経症状を評価する

神経根症であれば、その支配領域に放散痛、痺れ、感覚鈍麻、筋力低下が生じます。
前根だけが圧迫された場合は感覚障害が起こらずに運動麻痺だけが起こる解離性運動麻痺を呈することがあります。

脊髄症であれば、その支配領域以下にも神経根症と同様の神経症状や痙性麻痺、膀胱直腸障害が生じます。

神経根症では深部腱反射が減弱し、SpurlingテストやJaksonテストが陽性となります。
頚肩腕症候群との鑑別のためにAdsonテスト、Edenテスト、Wrightテスト、Allenテストを行います。

脊髄症において、深部腱反射は障害高位であれば低下または消失、障害高位以下であれば亢進します。
また、Hoffman反射やバビンスキー反射が陽性になります。

後方除圧術では頚髄が後方へ移動することによって神経根が牽引され神経根障害が生じることがあります。
術後1週間以内でC5神経根によくみられます(三角筋の運動麻痺が特徴的)が、数か月で良好な回復を示すことが多いです。

除圧術においては、術中の除圧操作後に脊髄硬膜の十分な膨隆や拍動を認めた場合に術後の回復が良好であるため手術所見を確認して予後予測します。

リスク管理

頸部伸展(前弯)の増強や回旋により症状が増強することがあります。
そのため、視線を変える際などは頸部だけを動かすのではなく、体幹から動かすようにして頸部の安静を図るようにします。

また、椎体外側部の骨棘によって椎骨動脈が圧迫されると椎骨動脈不全症候群が生じることがあります。

【椎骨動脈不全症候群】
頸椎の変形などがあると頸部を動かしたときに一時的に椎骨動脈の血流が途絶えることがあります。
それによって、めまいや視覚障害、意識障害、四肢の痺れや脱力などが起こります。

骨移植による前方固定術では、術後3週までは移植骨の脱転が生じるリスクが高いため頸部の安静がより大切です。

参考文献

  • 吉尾雅春・小柳磨毅編(2013)『標準理学療法学 専門分野 骨関節理学療法学』奈良勲監修, 医学書院.
  • 相澤純也・中丸宏二編(2012)『ビジュアル実践リハ 整形外科リハビリテーション カラー写真でわかるリハの根拠と手技のコツ』神野哲也監修, 羊土社.
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ABOUTこの記事をかいた人

こんにちは。イッコロといいます。 マイペースに勉強している運動器認定理学療法士です。 大阪府の病院で回復期の整形外科疾患と中枢神経疾患の理学療法を担当しています。