歩行観察と歩行分析のコツ:part1【各相の役割と注目すべき相をみつける方法】

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この記事では歩行観察と歩行分析のコツ:part1をお伝えします。

 

理学療法士に歩行観察・分析する能力は必須です。

しかし、歩行には様々な関節運動や筋活動があるため、どこをどう観察して分析すればよいか混乱してしまった経験はないでしょうか。

 

この記事では歩行観察・分析のコツとして、各相の役割注目すべき相をみつける方法を紹介しています。

 

初期接地(initial contact)の役割

初期接地(initial contact:以下IC)は足部が接地する瞬間と定義されており、歩行周期の0%です。

役割は衝撃吸収の準備です。

 

このときの反対側下肢の相は遊脚前期です。

 

荷重応答期(loading response)の役割

荷重応答期(loading response:以下LR)は足部が接地した瞬間~反対側の足部が離地する瞬間と定義されており、歩行周期の0~10%です。

役割は衝撃吸収立脚期の安定前方推進力のキープです。

 

このときの反対側下肢の相は遊脚前期です。

 

立脚中期(mid stance)の役割

立脚中期(mid stance:以下MSt)は反対側の足部が離地した瞬間~観察肢の踵が離地した瞬間と定義されており、歩行周期の10~30%です。

役割は足を支点として前足部上まで身体を運ぶこと立脚期の安定です。

 

このときの反対側下肢の相は遊脚初期~遊脚中期です。

 

立脚終期(terminal stance)の役割

立脚終期(terminal stance:以下TSt)は観察肢の踵が離地した瞬間~反対側の足部が接地する瞬間と定義されており、歩行周期の30~50%です。

役割は身体を支持脚より前方へ運ぶことです。

 

このときの反対側下肢の相は遊脚終期です。

 

前遊脚期(pre swing)の役割

前遊脚期(pre swing:以下PSw)は反対側の足部が接地した瞬間~観察肢の足尖が離地した瞬間と定義されており、歩行周期の50~60%です。

役割は遊脚初期の準備です。

 

このときの反対側下肢の相はIC~LRです。

 

遊脚初期(initial swing)の役割

遊脚初期(initial swing:以下ISw)は観察肢の足尖が離地した瞬間~両側の下腿が矢状面で交差した瞬間と定義されており、歩行周期の60~75%です。

役割は足部を離地すること下肢を前方に運ぶことです。

 

このときの反対側下肢の相はMStです。

 

遊脚中期(mid swing)の役割

遊脚中期(mid swing:以下MSw)は両側の下腿が矢状面で交差した瞬間~遊脚中の観察肢の下腿が床に対して直角になった瞬間と定義されており、歩行周期の75~90%です。

役割は下肢を前方に運ぶこと十分なクリアランスの確保です。

 

このときの反対側下肢の相はMStです。

 

遊脚終期(terminal swing)の役割

遊脚終期(terminal swing:以下TSw)は遊脚中の観察肢の下腿が床に対して直角になった瞬間~観察肢の足部が接地した瞬間と定義されており、歩行周期の90~100%です。

役割は下肢を前方へ運ぶことの終了ICの準備です。

 

このときの反対側下肢の相はTStです。

 

注目すべき相をみつける方法

注目すべき相は歩行で生じている問題を解決する役割をもつ相です。

 

たとえば、歩行の安全性が低下しているとします。

 

立脚期でふらついて安全性が低下しているのであれば、立脚期の安定の役割があるLRとMStに注目します。

TStも単脚支持期であるため気になるところですが、まずはLRとMStです。

 

遊脚期で足部離地はできているが躓いて安全性が低下しているのであれば、十分なクリアランスの確保の役割があるMSwに注目します。

 

このようにすると注目すべき相をみつけられます。

イッコロ
あとはその相の関節運動や筋活動をみていくだけです。

 

もし、その相を観察・分析しても問題が解決しない場合は一つ前の相で問題が生じている可能性があります。

たとえば、MStで問題が生じるのであればLRに注目していきます。

 

まとめ

  • 歩行観察・分析のコツは各相の役割を知り、注目すべき相をみつけることである
  • 注目するべき相は歩行で生じている問題を解決する役割をもつ相である
  • 注目すべき相をみつけられたら、その相の関節運動や筋活動をみていく
  • 解決しなければ一つ前の相に注目していく

 

次回からは各相の関節運動や筋活動について書いていきます。

歩行観察と歩行分析のコツ:part2【ICの関節運動と筋活動を知る】

2020年1月30日

 

参考文献

  •  Kirsten G¨otz‐Neumann(2005)『観察による歩行分析』月城慶一・他訳, 医学書院.
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ABOUTこの記事をかいた人

こんにちは。イッコロといいます。 大阪府の理学療法士です。 病院で勤務しています。