歩行観察と歩行分析のコツ:part2【ICの関節運動と筋活動を知る】

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前回は歩行観察と歩行分析のコツ:part1として、各相の役割と注目すべき相をみつける方法を紹介しました。

 

歩行観察と歩行分析のコツ:part1はコチラです。

歩行観察と歩行分析のコツ:part1【各相の役割と注目すべき相をみつける方法】

2020年1月29日

 

今回は歩行観察と歩行分析のコツ:part2として初期接地(initial contact:以下IC)の関節運動や筋活動について紹介します。

これらを知ることでICで評価すべき身体機能がわかります。

 

初期接地(initial contact)の定義と役割

前回のおさらいです。

 

ICは足部が接地する瞬間と定義されており、歩行周期の0%です。

役割は衝撃吸収の準備です。

 

このときの反対側下肢の相は遊脚前期です。

 

イッコロ
ICの役割は踵接地時の衝撃吸収の準備、つまりはLRの準備なのでLRで何らかの問題が発生しているのであればICの評価は必須です。

 

ICの関節運動

ICが機能するために起きている関節運動は以下のとおりです。

  • 中足指節間関節…伸展0~25°
  • 距骨下関節…回外回内0°~軽度の回外
  • 足関節…背屈底屈0°
  • 膝関節…屈曲5°
  • 股関節…屈曲20°、内旋3°
  • 骨盤…前方回旋5°

 

見逃しがちなのは膝関節が5°屈曲していることです。

イッコロ
もし、ICで膝関節が完全伸展していると膝関節の剛性が高まりすぎてしまい、LRで衝撃吸収ができません。

 

ICで発生する外部モーメント

上述の関節肢位がとれていれば、ICでは踵と床の接点が足関節の後方になるため床反力ベクトルが足関節の後方、膝関節の前方を通ります。

 

これにより、ICでは各関節に以下のとおりの外部モーメントが働きます。

  • 足関節…底屈方向の外部モーメント
  • 膝関節…一瞬の伸展方向の外部モーメント
  • 股関節…強力な屈曲方向の外部モーメント

 

ICの筋活動

ICで適切な関節肢位をとるためと、外部モーメントに対応するために活動している筋は以下のとおりです。

  • 距骨下関節…前脛骨筋、長指伸筋、長母指伸筋
  • 足関節…前脛骨筋
  • 膝関節…大腿直筋以外の大腿四頭筋、ハムストリングス
  • 股関節…大殿筋、ハムストリングス、大内転筋

 

前脛骨筋の活動が乏しいと踵接地が十分にできず、あとのLRのヒールロッカー機能が低下します。

 

大腿四頭筋の活動が乏しければ膝関節の過屈曲となり、膝折れが生じます。

ハムストリングスの活動が乏しければ膝関節の過伸展がおこりロックされるため、膝関節での衝撃吸収ができなくなります。

 

股関節伸展筋群の活動が不十分なら股関節が過屈曲して体幹が前傾するため、歩行が不安定となります。

さらに、体幹が前傾すると床反力が膝関節の大きく前方を通るため、膝関節の過伸展がおこります。

 

まとめ

ICが衝撃吸収の準備という役割を果たすために必要な関節運動と筋活動について紹介しました。

 

ICが機能しなければ、その後の立脚期すべてが機能低下する可能性があります。

問題を見逃さないように要注意です。

 

次回はLRについて書いていきます。

 

参考文献

  •  Kirsten G¨otz‐Neumann(2005)『観察による歩行分析』月城慶一・他訳, 医学書院.
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ABOUTこの記事をかいた人

こんにちは。イッコロといいます。 大阪府の理学療法士です。 病院で勤務しています。