腎不全についてPTが知っておきたい最低限のこと

スポンサーリンク

既往に腎不全をもつ人の理学療法をする機会は多いと思います。

急性期でなければ、腎不全をもっていてもあまり症状が目立たないので気にせずに理学療法を実施してしまっている人もいるのではないでしょうか。

 

この記事では腎不全の症状と治療、運動療法について書いています。

既往に腎不全をもつ人の理学療法をする際は最低限、頭に入れておきたいことをまとめています。

 

腎不全とは

腎不全には急性腎不全と慢性腎不全があります。

 

急性腎不全とは何らかの原因により、急激に腎機能が低下した状態です。

慢性腎不全とは腎疾患により、徐々に不可逆的に腎機能が低下した状態です。

イッコロ
腎疾患には慢性糸球体炎、糖尿病性腎症、ループス腎炎、腎硬化症・高血圧性腎症があります。

 

慢性腎不全は「慢性腎臓病(CKD)の病期分類」で分類されます。

 

CKDの病期分類

  • ハイリスク群…GFR(ml/分/1.73㎡)≧90かつCKDリスクファクターを保有
  • ステージ1…腎障害は存在するがGFRは正常または亢進(GFR90≧)
  • ステージ2…腎機能障害が存在しGFRが軽度低下(60~89)
  • ステージ3…GFRが中等度低下(30~59)
  • ステージ4…GFRが高度低下(15~29)
  • ステージ5…腎不全(GFR<15)

 

腎不全の症状

腎不全が進行することにより、尿毒症が出現します。

尿毒症が出現すると生命維持には透析療法や腎移植が必要になります。

 

尿毒症の症状

尿毒症には以下の症状があります。

  • 心不全症状
  • 消化器症状
  • 中枢神経症状
  • 末梢神経症状
  • 貧血
  • 出血傾向
  • 高カリウム血症
  • 皮膚症状

 

心不全症状

息切れ、起坐呼吸

消化器症状

吐き気、口臭、びらん胃炎、粘膜出血

中枢神経症状

昏睡、無気力、不眠、不安、いらいら、抑うつ

末梢神経症状

手先や足先の痺れ

貧血

動作時の息切れ

出血傾向

歯肉出血、消化管出血、皮下出血斑

高カリウム血症

四肢の脱力、手や口唇の痺れ、心電図変化、心室頻拍

皮膚症状

乾燥、かゆみ、皮膚が黒くなる

 

腎不全の治療

腎不全の治療は進行予防が目的となります。

 

腎不全の治療には以下のものがあります。

  • 食事療法…蛋白、塩分、水分、カリウム、リンの摂取を制限する。
  • 生活指導…急性期では運動を制限する。慢性期では肥満や糖尿病、高血圧、心血管イベントの予防・改善を図るために身体活動を維持する。
  • 薬物療法
  • 透析療法
  • 腎移植…唯一、腎不全を根治できる。
  • 運動療法

 

この記事では理学療法士が役割の担う運動療法について書きます。

 

腎不全に対する運動療法

エビデンスとしては2~6ヵ月で筋肉量やTypeⅡ繊維の割合、毛細血管、ミトコンドリアが増加し、運動耐容能が17~23%改善することが示されています。

 

また、有酸素運動とレジスタンストレーニングの併用により、運動療法をしない場合と比較して運動耐容能が41~48%増加します。

 

血液透析療法中の有酸素運動やレジスタンストレーニングの安全性も示されています。

 

しかし、運動療法にあたって注意点があります。

  1. 臥位に比べて立位では腎血流量は40~50%、糸球体濾過量(GFR)は30%低下すること
  2. 運動強度の上昇ともに腎血流量やGFRが低下すること

 

そのため、腎機能、尿量、自覚症状、血行動態はモニタリングして運動療法を実施する必要があります。

イッコロ
腎機能は血液などの検査結果、尿量は正常の1500ml/日程度であるか、血行動態は血圧でモニタリングしています。

 

以下の記事で腎機能の血液検査について書いています。

腎臓の機能と血液検査・重症度

2020年1月16日

 

まとめ

腎不全の症状と治療、運動療法について書きました。

既往に腎不全をもつ人の理学療法をする際にはこの記事の内容を最低限、頭に入れておきましょう。

スポンサーリンク

ABOUTこの記事をかいた人

こんにちは。イッコロといいます。 大阪府の理学療法士です。 病院で勤務しています。