膝関節伸展ROMの制限因子と鑑別~関節運動~

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膝関節は完全伸展位で構造的な安定性が得られます。
屈曲位だと膝関節は不安定になり、骨や靭帯、膝関節周囲筋に過剰なストレスがかかってしまいます。

また、膝関節が屈曲位だと上行性の運動連鎖で腰椎屈曲位となり、腰痛の一因となります。

このように、膝関節伸展ROM制限によって膝関節痛や腰痛が生じることがあります。

症状の改善には膝関節伸展ROMの改善は重要です。
そして、改善するには制限因子を鑑別して個別にアプローチする必要があります。

今回は膝関節伸展ROMの制限因子と鑑別方法~関節運動~です。

脛骨大腿関節編はこちら

www.iccolo.work

 

膝蓋大腿関節編はこちら

www.iccolo.work

 

 

膝関節の解剖

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膝関節は大腿骨と脛骨で構成される脛骨大腿関節、大腿骨と膝蓋骨で構成される膝蓋大腿関節の2つに分けられます。

膝関節伸展の関節運動

脛骨大腿関節、膝蓋大腿関節がそれぞれ正常な運動を行うことで膝関節は伸展できます。

ROM制限があるなら、どんな関節運動が低下しているかを評価します。

そして、低下している関節運動を徒手的に誘導してROMが改善するかチェックします。
改善した場合、その関節運動を阻害している組織に対してアプローチをすれば良いのです。

では、2つの関節の正常な関節運動と評価についてみていきましょう。

脛骨大腿関節の運動

膝関節伸展に伴って、脛骨は大腿骨を基準に前方に転がり、前方に滑ります。

さらに、大腿骨内側顆の形状や前十字靭帯の緊張、大腿四頭筋の外側への牽引によって、脛骨は最終膝関節伸展30°から10°外旋します。

この動きは終末伸展回旋(スクリューホームムーブメント)といいます。
この回旋は脛骨の内側を中心軸にして生じます(メディアルピポッドシフト)。

こんなふうに脛骨大腿関節は凹凸の法則+軸回旋の動きがあるので注意が必要です。

なので、脛骨大腿関節においては

  • 脛骨の前方への転がり
  • 脛骨の前方への滑り
  • 脛骨の外旋(スクリューホームムーブメント、メディアルピポッドシフト)

が低下していると膝関節伸展のROM制限が生じます。

脛骨の転がりと滑りは大腿骨の外内側上顆と脛骨の外内顆の位置関係を健側と患側で比較します。
脛骨の外内側顆を触診しながら膝関節伸展を行うと分かりやすいと思います。

脛骨の外旋は大腿骨の外内側上顆と脛骨粗面の位置関係を健側と患側で比較します。
脛骨粗面を触診しながら膝関節伸展を行うと分かりやすいです。

また、同じ膝関節角度での大腿骨と脛骨の位置関係を確認する方法も分かりやすいです。

膝蓋大腿関節の運動

膝関節伸展に伴って、膝蓋骨は上方に移動します。

膝蓋大腿関節においては、膝蓋骨の上方移動が低下していると膝関節伸展のROM制限が生じます。

膝蓋骨の上方移動は膝蓋骨底(膝蓋骨の上部)や膝蓋骨尖(膝蓋骨の下部)の移動量を健側と患側で比較します。

まとめ

  • 膝関節は脛骨大腿関節、膝蓋大腿関節の2つの関節に分けられる。
  • 膝関節が伸展するとき、脛骨は前方への転がり、前方への滑り、外旋する。
  • 膝関節が伸展するとき、膝蓋骨は上方へ移動する。
  • 健側と患側で関節運動を比較し、どの関節運動が低下しているか評価する。
  • 正常な関節運動を阻害している組織に対してアプローチをする。
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こんにちは。イッコロといいます。 マイペースに勉強している運動器認定理学療法士です。 大阪府の病院で回復期の整形外科疾患と中枢神経疾患の理学療法を担当しています。