膝関節屈曲ROMの制限因子と鑑別方法~脛骨大腿関節~

スポンサーリンク

膝関節屈曲における脛骨大腿関節の運動を制限する組織をみていきます。

僕が評価している順番で項目を書いてみました。

関節運動編はこちら

www.iccolo.work

膝蓋大腿関節編はこちら

www.iccolo.work

 

f:id:iccolo:20180820210336j:plain

脛骨の後方への転がりと後方への滑りの制限因子

主に膝蓋大腿関節の前面にある組織が制限因子になります。

大腿四頭筋の伸張性低下(短縮あるいは過剰収縮)

大腿四頭筋には中間広筋、外側広筋、内側広筋、大腿直筋があります。

大腿直筋だけが二関節筋で股関節屈曲の作用があるので、股関節伸展位で膝関節屈曲ROM制限が大きくなればこの筋が制限因子です。

外側広筋は腸脛靭帯と連結しているので、股関節内転位で膝関節屈曲ROM制限が大ききなればこの筋が制限因子であると考えられます。

内側広筋は大内転筋と連結しているので、股関節外転位で膝関節屈曲ROMが大きくなればこの筋の影響が強いと考えられます。

中間広筋は大腿骨上に走行しているので股関節肢位の影響を受けません。
なので、大腿骨骨幹部の骨折では中間広筋の損傷が大きいのでこの筋が膝関節屈曲ROMの制限因子になりやすいです。

腸脛靭帯の伸張性の低下

腸脛靭帯は膝関節屈曲90°までは前方部が伸張されます。90°以降は弛緩します。

なので、膝関節屈曲90°以下かつ股関節内転位で膝関節屈曲ROMが制限されると腸脛靭帯が制限因子であると考えられます。

腸脛靭帯は大腿筋膜張筋と大殿筋、中殿筋と繋がっているのでこれらの筋の状態も確認します。

膝蓋上嚢の柔軟性と滑走性の低下

膝蓋上嚢は袋状の形をしていて膝関節屈曲によって左右に広がりながら下方に滑走します。

触診で左右方向への柔軟性と下方への滑走性をチェックします。

外・内側膝蓋支帯の伸張性低下

膝蓋支帯は膝関節屈曲によって伸張されます。
また、膝蓋支帯に十分な伸張性があることで膝蓋上嚢が左右に広がれるだけのスペースが確保されます。

触診で上下と側方への伸張性を確認します。

膝蓋下脂肪体の柔軟性低下

膝蓋下脂肪体は膝関節屈曲によって膝蓋骨の後方と膝蓋大腿関節の間に入り込みます
そのためには関節の間に入り込めるように形を変えられる柔軟性が必要です。

触診で確柔軟性を確認します。

膝蓋下脂肪体は膝関節伸展位で触れやすいです。

膝窩筋の柔軟性低下

膝窩筋は膝関節屈曲筋ですが、深屈曲域(130°以上)では腓腹筋内側頭やファベラによって圧迫されます
そのため、膝窩筋には柔軟性が求められます。

圧痛の有無を確認しましょう。。

膝窩筋の機能不全

膝関節屈曲により外側・内側の半月板は後方に移動します。
膝窩筋は外側半月板に付着していて、外側半月板の後方移動を助ける役割があります。

膝関節屈曲で膝窩外側部に疼痛があれば、膝窩筋の機能不全により外側半月板の後方移動が不十分なためインピンジメントを起こしている可能性があります。

半膜様筋の機能不全

半膜様筋は膝関節の後方関節包と内側半月板に付着しています。

ですので、半膜様筋は膝関節屈曲時の後方関節包と内側半月板のインピンジメントを防ぐ機能を持っています。

膝関節屈曲で膝窩内側部に疼痛があれば、後方関節包や内側半月板のインピンジメントが生じてることが考えられます。


内側側副靭帯の滑走性低下

内側側副靭帯は内側半月板に付着しています。
なので、内側側副靭帯の滑走性低下は内側半月板の後方移動が妨げます

触診で後方への滑走性をチェックします。

後十字靭帯の弛緩、断裂

後十字靭帯は膝関節屈曲で緊張し、ロールバックを起こします
なので、弛緩や断裂があるとロールバックができず、膝関節屈曲ROMが制限されます。

後十字靭帯の機能は後方引き出しテストで確認します。
 

脛骨内旋の制限因子

膝窩筋の機能不全

膝関節は完全伸展位で脛骨が外旋しロックされています。
膝窩筋が脛骨を内旋することでロックが外れて膝関節は屈曲することができます。

自動運動で脛骨の内旋が乏しい場合、膝窩筋の機能不全が考えられます。

腸脛靭帯の滑走性低下

脛骨内旋に伴って腸脛靭帯は前方に滑走する必要があります。

触診で前方への滑走性を確認します。

外・内側側副靭帯の滑走性低下

外側側副靭帯は前方に、内側側副靭帯は後方に滑走する必要があります。

触診でそれぞれの方向への滑走性をチェックします。

まとめ

  • 膝関節前面の伸張性や柔軟性の低下、側面の滑走性低下により膝関節屈曲ROMが制限される。
スポンサーリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

ABOUTこの記事をかいた人

こんにちは。イッコロといいます。 マイペースに勉強している運動器認定理学療法士です。 大阪府の病院で回復期の整形外科疾患と中枢神経疾患の理学療法を担当しています。