【備忘録】股関節ROMの制限因子を一歩深く評価する方法

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股関節は球関節であり可動範囲が広く、運動方向は6方向もあります。

 

さらに、股関節周囲筋は関節肢位によって作用が変化するため、ROMの制限因子を評価するにはシンプルなROM測定だけでは不十分です。

きちんと制限因子を評価するには色々な関節肢位で検査する必要があります。

 

この記事は股関節ROMの制限因子を一歩深く評価する方法について書いています。

 

股関節の運動

股関節には屈曲、伸展、外転、内転、外旋、内旋の運動があります。

 

屈曲

参考可動域は125°です。

 

しかし、股関節だけの純粋な屈曲ROMは70~80°であり、残りの45~55°は骨盤の後傾(腰椎の屈曲)によって補われています。

そのため、股関節屈曲ROMを改善するには腰椎後方の組織にも注意を向ける必要があります。

 

伸展

参考可動域は25°です。

 

伸展ROMを評価する整形外科テストには、ThomasテストとElyテストがあります。

Thomasテストが陰性であれば、股関節は約10°伸展できていることになります。

 

陽性の場合は、股関節屈筋群の柔軟性低下を示唆します。

イッコロ
  • 膝関節伸展位で陽性であれば、腸腰筋の柔軟性低下
  • 股関節伸展+外転位で陽性であれば、股関節内転筋群の柔軟性低下
  • 股関節伸展+内転位で陽性であれば、大腿筋膜張筋の柔軟性低下
  • 股関節伸展+膝関節屈曲90°で対側股関節の屈曲が80°未満であれば大腿直筋の柔軟性低下

が示唆されます。

 

外転

参考可動域は45°です。

 

制限因子は主に股関節内転筋群ですが、外転最終域で大腿内側部に伸張感を訴えずに股関節外側部に詰まり感を訴えるケースがあります。

イッコロ
おそらく、屈曲0°では内転筋群の柔軟性が低く、適切な関節包内運動が行えずに大腿骨頭が寛骨臼蓋に突き上げられて股関節外側部に詰まり感が生じているのだと僕は考えています。

 

このようなケースの場合、股関節屈曲60°で外転してみてくだい。

屈曲60°で外転することによって内転筋群の屈曲作用を持つ繊維が緩み、関節包内運動が適切になったことで股関節外側部の詰まり感が消失します。

 

屈曲60°では恥骨筋以外の内転筋群は屈曲作用も伸展作用も持たないためです。

 

そのまま、股関節屈曲60°+外転位で内転筋群のストレッチをすることで屈曲0°での外転で訴えていた股関節外側部の詰まり感の訴えが軽減すると思います。

 

内転

参考可動域は20°です。

 

内転ROMを評価する整形外科テストはOberテストです。

検査側の膝関節を屈曲90°で行い、内転ROMが10°未満なら陽性です。

 

検査側の膝関節を伸展位で行うと腸脛靭帯に付着する大殿筋と大腿筋膜張筋の柔軟性の影響を除いて評価できます。

つまり、中殿筋と小殿筋の柔軟性にフォーカスを当てて評価することができます。

 

外旋

股関節の外旋には肩関節と同様に1st、2nd、3rdのROMがあります。

 

  • 1st…股関節屈伸0°、外内転0°、膝関節屈曲90°での外旋(参考可動域45°)
  • 2nd…股関節屈曲90°、外転45°、膝関節屈曲90°での外旋(参考可動域を知っている方、教えてください汗)
  • 3rd…股関節屈曲90°、外内転0°、膝関節屈曲90°での外旋(参考可動域45°)

 

イッコロ
制限因子として下記の影響が予想されます。

  • 1stでのROM制限は大腿筋膜張筋や中・小殿筋前部繊維の影響が大きい
  • 2ndでのROM制限は恥骨筋の影響が大きい
  • 3rdでの外旋は梨状筋や大殿筋前部繊維、中・小殿筋後部繊維の影響が大きい

 

屈曲90°以上で梨状筋、大殿筋前部繊維、中・小殿筋後部繊維が内旋作用を持つためです。

 

内旋

外旋ROMと同様に1st、2nd、3rdがあります。

参考可動域は1stは35°、3rdは45°です。(2ndの参考可動域を知っている方、教えてください汗)

 

制限因子については下記の影響が考えられます。

イッコロ

1stでは腸腰筋、深層外旋六筋

2ndでは大殿筋後部繊維、大腿方形筋

3rdでは梨状筋を除く深層外旋六筋

 

整形外科テストとしては梨状筋テストがあります。

陽性であれば梨状筋の柔軟性低下を示唆します。

 

まとめ

股関節のROM参考可動域や制限因子を評価する方法について書きました。

股関節では関節肢位により、筋の作用が変化するので検査肢位を組み合わせて制限因子を評価することが大切です。

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ABOUTこの記事をかいた人

こんにちは。イッコロといいます。 大阪府の理学療法士です。 病院で勤務しています。