脳卒中後の機能回復はどんなメカニズムで起こる?

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脳卒中後の機能回復を促すために理学療法が行われるけど,機能回復のメカニズムを知らないと意図して促すことってできないよなあ…

というわけで,脳卒中後の機能回復はどんなメカニズムで起こっているかをまとめてみる。

何も考えずに理学療法を行うんじゃなく,「この視点で回復を促してるんや!」と考えながら理学療法をすると効果が高そうだし,自己効力感があがる気がする。

でも,もちろん,「このメカニズムで回復した」や「自分が治した」なんて妄想にならないように注意。

脳損傷後の5つの可逆性

  1. 脳の循環改善
  2. 血腫の吸収
  3. 脳浮腫の改善
  4. 脳血管攣縮の改善
  5. 機能解離(ディアシーシス)の消失
  6. 神経再生(海馬歯状回,側脳室周囲)

これらが脳損傷後の可逆性で,自然回復だったり医師の治療によって生じる。

なので,理学療法によって回復を促すというよりは脳の可逆性を妨げないように配慮する必要がある。

具体的には,血圧の過度な変動を起こさないこと。

脳損傷後の3つの可塑性

  1. 代償
  2. 再学習
  3. 中枢神経再構築

1つ目の代償とは,病巣周囲の損傷していない領域によって即座に損傷部位の機能を代償すること。

この代償は脱抑制によって起こる。

脱抑制とは,それまで機能していなかった別の神経ネットワークが呼び覚まされること。

2つ目の再学習とは,損傷部位の機能を他の部位の神経回路によって数日単位で再学習すること。

3つ目の中枢神経再構築とは,脳地図が再構築されること。

たとえば,手指運動の領域が損傷しても,別の領域に手指運動の領域が広がるといったもの。Nudoらの脳梗塞サルの研究が有名。

可塑性は理学療法で促すことができる。

具体的には,適切な難易度の運動を実施する。

参考文献

  • 吉尾雅春,森岡周,阿部浩明(編).標準理学療法学 専門分野 神経理学療法学 第2版.医学書院.2018.
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