ROM制限に対する理学療法

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この記事はROM制限に対する理学療法について書いています。
ROM制限に対する理学療法

ROM制限とは

ROM制限の原因は3つに分けることができます。

  1. 筋収縮による制限
  2. 関節周囲軟部組織の器質的変化による制限(=拘縮)
  3. 骨や軟骨の変形による制限(=強直)
【関節周囲軟部組織】

  • 皮膚
  • 骨格筋
  • 靭帯
  • 関節包

などの関節周囲にある軟部組織

理学療法で対応できるROM制限は「筋収縮による制限」と「関節周囲軟部組織による制限」です。

筋収縮によるROM制限の理学療法

筋収縮は侵害刺激によって反射的に起こります。
侵害刺激が継続すると筋収縮が持続し周囲組織の血流が乏しくなるため、発痛物質が新たに産生されます。
そして、その疼痛によって筋収縮が起こるという悪循環が完成します。

なので、この悪循環を断ち切るためには筋収縮を起こさせている侵害刺激を除去する必要があります。
侵害刺激の原因が炎症であれば安静を、姿勢や動作であれば生活指導や機能低下に対する理学療法を行います。

侵害刺激の除去と同時に筋の弛緩を図ります。
筋の弛緩を図る方法は5つあります。

  1. Ia抑制(相反抑制)
  2. Ib抑制(ストレッチ)
  3. 反回抑制(ホールドリラックス)
  4. 温熱療法
  5. 姿勢筋緊張の利用(臥位よりも座位や立位の抗重力位のほうが下肢筋の筋長が低下する)

筋や周囲組織の状態に合わせて方法を選び、組み合わせます。

拘縮の理学療法

関節周囲軟部組織の器質的変化の中心は骨格筋や関節包のコラーゲン変化です。
つまり、拘縮を改善するためにはこれらの組織に起こったコラーゲン変化を修正する必要があります。

【拘縮の責任病巣】
不動1か月以内は骨格筋が、1ヵ月以上は関節包が拘縮の責任病巣の中心になります。

骨格筋の弛緩や周囲組織の血流を増加させて関節可動域訓練などを頻回に継続すれば、拘縮が改善する可能性があります。
しかし、運動療法や物理療法で即時的に効果があるものは現在のところありません

【動物実験におけるストレッチの効果】
30分以上/日の持続的ストレッチや間欠的ストレッチで拘縮の進行抑制・回復促進効果があります。
【動物実験における温熱療法の効果】
軟部組織を40℃以上に加温すると伸張性が向上します。

なので、拘縮は改善することよりも予防することが重要となります。

関節周囲軟部組織の器質的変化は不動によって生じます。
つまり、拘縮の予防は関節を不動状態にしないことが鉄則です。

関節を不動状態にする原因は

  • 疼痛を回避するための過度な安静
  • 骨格筋収縮の持続
  • ギプス固定

などがあります。

基本的には適度な運動と筋の弛緩によって拘縮予防を図ります。
疼痛が強い場合やギプス固定で運動ができない場合は可能な範囲で軟部組織のマッサージを行います。

参考文献

  • 沖田実編(2015)『関節可動域制限 第2版 -病態の理解と治療の考え方-』三輪書店.
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ABOUTこの記事をかいた人

こんにちは。イッコロといいます。 マイペースに勉強している運動器認定理学療法士です。 大阪府の病院で回復期の整形外科疾患と中枢神経疾患の理学療法を担当しています。