脊椎圧迫骨折の評価とリスク管理

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この記事は脊椎圧迫骨折の評価とリスク管理について書いています。
脊椎圧迫骨折の評価とリスク管理

画像

受傷時のX-PやCT、MRI画像から骨や筋、神経などの損傷状態を推察します。

X-Pが荷重位と非荷重位で撮影されていれば、その変化による椎体の圧壊の程度を観察して骨折部の安定性を評価します。
MRI画像は水分貯留を確認しやすいため、炎症の状態を評価するのに適しています。

受傷時の骨の損傷状態からはどのような力学的負荷が疼痛を生じさせそうか、骨癒合を妨げそうかを考えます。
経時的な観察では骨癒合が進んでいるか、圧壊が増悪していないかを確認します。

筋や神経の損傷状態からは筋の伸張や収縮時痛、筋力低下、神経症状の有無を予測します。
脊椎の後弯変形は脊柱起立筋への負荷を増強させるため、骨折部が安定したあとも筋性の疼痛が生じやすいです。
破裂骨折や脱臼骨折では神経が損傷されることがあります。

疼痛

骨折部によるものなのか、周囲組織によるものなのかを評価します。

骨折部であれば棘突起の叩打痛や、介達痛があります。
しかし、骨折していてもこれらの所見が得られないこともあります。

筋では筋の圧痛や収縮時痛があります。
脊柱の後弯変形があると脊柱起立筋への負荷が増強するため筋性の疼痛が起こりやすいです。

神経性の疼痛ではその支配領域に放散痛があります。

体動が困難な強い疼痛は2~3週間で改善することが多いです。

神経症状

神経損傷の疑いがあれば深部腱反射と感覚検査を行います。
受傷時には神経障害がなくても受傷後しばらくたってから遅発性の神経障害が起こることがあるので、経時的に評価します。

バランス

筋力低下やROM制限に加えて脊椎後弯変形によってバランスが低下します。
足底に感覚障害が起こっているとさらにバランスが低下します。

筋力低下やコルセット固定による体幹のROM制限により、歩行時の左右不安定を生じさせます。
後弯変形は身体重心を後方に偏位させるため、起立や立位で後方不安定性をみとめることがあります。

リスク管理

骨折部の安定と神経障害の予防が重要です。

  • コルセットの正しい装着方法
  • 禁忌肢位(体幹の屈伸、側屈、回旋)をとらない動作方法や福祉用具(リーチャー、ソックスエイド、シャワーチェアなど)の使用
  • 椎体を圧壊させる危険な動作の回避(体幹の前傾、性急な着座、性急な降段、不整地での自転車や車の運転など)

これらを指導します。

参考文献

  • 吉尾雅春・小柳磨毅編(2013)『標準理学療法学 専門分野 骨関節理学療法学』奈良勲監修, 医学書院.
  • 医療情報科学研究所編(2017)『病気がみえる vol.11 運動器・整形外科 第1版』メディックメディア.
  • 相澤純也・中丸宏二編(2012)『ビジュアル実践リハ 整形外科リハビリテーション カラー写真でわかるリハの根拠と手技のコツ』神野哲也監修, 羊土社.
  • 松本正知『骨折の機能解剖学的運動療法 その基礎から臨床まで 体幹・下肢』青木隆明・林典雄監修, 中外医学社.
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ABOUTこの記事をかいた人

こんにちは。イッコロといいます。 マイペースに勉強している運動器認定理学療法士です。 大阪府の病院で回復期の整形外科疾患と中枢神経疾患の理学療法を担当しています。