胸椎・腰椎圧迫骨折の理学療法で知っておくべきこと part1/2 ~病態、症状、治療、予後予測~

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胸椎・腰椎圧迫骨折の理学療法で知っておくべき病態、症状、治療、予後予測についてまとめました!

 

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胸椎・腰椎圧迫骨折の病態

 受傷機転は↓の2通りがあります。

  • 転落や交通事故などによる受傷
  • 高齢者の軽微な外力による受傷

とくに骨粗鬆症の高齢者の受傷が多く、転倒や尻もちだけでなく、くしゃみなどで受傷することがあります。

発生部位はTh12~L1の胸腰椎移行部が多いです。

胸腰椎移行部で発生が多いのは、胸椎の後弯と腰椎の前弯が切り替わる部分であり、力学的な負荷かかかりやすいからです。

 

胸椎・腰椎圧迫骨折の症状

  • 疼痛
  • 脊柱の後弯変形
  • 神経障害

疼痛

急性期の骨性の疼痛と慢性期の筋性の疼痛があります。

骨性の疼痛は体動時の激痛と叩打痛が特徴です。
体動により骨折部に剪断力がかかったり、叩打により骨膜が刺激されることで疼痛が生じます。

筋性の疼痛は脊柱の後弯変形によって脊柱起立筋に過剰な負荷がかかることで発生します。

脊柱の後弯変形

椎体の前方が圧壊することが多いため、脊柱は後弯変形します。

後弯変形の結果、↓のことが起こる可能性があります。

  • 脊柱起立筋に過剰な負荷がかかることによる筋性疼痛
  • 頸部が過伸展することにより嚥下しにくくなる
  • 肺が圧迫されるため、呼吸効率が低下する
  • 胃などの内臓が圧迫されるため、食事量や内臓機能が低下する

 

また、脊柱のS字アライメントが破錠することにより、脊柱の衝撃吸収作用が低下します。

なので、脊椎圧迫骨折が起こった上下の椎体は骨折のリスクが高くなります

 

神経症状

椎体の後壁が圧壊した場合、骨片が脊髄や神経根を圧迫して運動麻痺や感覚障害、しびれなどの異常感覚が生じることがあります。

椎体の圧壊は受傷時から徐々に進むため、遅発性に神経症状がでることがあります

胸椎・腰椎圧迫骨折の治療

保存療法が第一選択になりますが、圧壊が大きかったり神経症状がでている場合は手術療法が適応されます。

保存療法

コルセットやギプスによって患部を固定し、薬物療法や運動療法を行います。
整復後にギプス固定(3か月)、その後にコルセット固定(3か月)します。

コルセットやギプスによる患部の固定は↓の目的で行われます。

  • 骨折部を安定させることで疼痛を軽減する
  • 骨へのストレスを軽減することで椎体圧壊の進行を予防する

薬物療法は↓の目的で行われます。

  • 鎮痛
  • 骨粗鬆症の改善

運動療法は↓の目的で行います。

  • 筋力増強による筋性疼痛の軽減
  • ストレッチや筋力増強による脊柱後弯変形の進行予防
  • ADLの向上
  • 骨粗鬆症の改善

メカニカルストレスは骨形成を促します。
なので、運動は骨粗鬆症を改善する効果があります。

手術療法

前方または後方固定術や椎体形成術、バルーンカイフォプラスティー(balloon kyphoplasty:BKP)などがあります。

術後は3か月間、ギプスまたはコルセットで固定します。

固定術であった場合、固定されている椎体間の運動は起こりません。
そのため、脊柱のROM制限が生じます。

手術療法は↓の目的で行われます。

  • 骨折部の整復
  • 神経の除圧
  • 外固定の簡略化や省略
  • 早期リハビリテーションの開始

 

胸椎・腰椎圧迫骨折の予後予測

在院日数に関与する因子として、

  • 年齢入院から離床までの日数
  • 歩行練習開始までの日数

牛島, 上原・他: 胸腰椎圧迫骨折の在院日数に関与する因子の検討: 理学療法学Supplement 2013(0), 0490, 2014.

があるといわれています。

 

受傷前の歩行能力を獲得できるかどうかの因子について、

  • 受傷前の歩行能力
  • 受傷前の階段昇降能力
  • 生活習慣病の有無
  • 椎体骨折数

八木, 砥上・他: 脊椎圧迫骨折患者の歩行能力低下に影響する受傷前因子の検討: 理学療法学Supplement 2012(0), 48101834-48101834, 2013.
八木, 砥上・他: 初発脊椎圧迫骨折例における退院時歩行能力に影響する因子の検討: 理学療法学Supplement 2013(0), 1492, 2014.
八木, 砥上・他: スクリーニングを用いた脊椎圧迫骨折後の歩行能力に関する予後予測の試み: 理学療法学Supplement 2014(0), 0319, 2015. 

が影響すると報告されています。

 

また、退院時の歩行能力の規定因子について、

  • 骨折部位がL2か否か
  • 受傷前の歩行FIM
  • リハ病棟入棟時のHDS-R
  • 運動FIM
  • 認知FIM

 

森永, 宮本・他: 回復期 リハ ビ リテ ー シ ョ ン 病棟 に お け る脊椎圧追骨折の ADL 予後規定因子: リハビリテーション医学 : 日本リハビリテーション医学会誌 45(SUPPLEMENT), S386, 2008-05-18. 

であったと報告されています。

疼痛持続と椎体圧壊進行、後弯進行について、

  • MRI像の後壁損傷
  • 男性
  • 胸腰椎移行部の損傷
  • 高齢

 

久芳, 古市・他: 胸腰椎圧迫骨折の臨床経過と予後予測: 整形外科と災害外科 59(2), 368-371, 2010. 
井口, 有薗・他: 脊椎圧迫骨折の予後不良因子の検討: 整形外科と災害外科 54(4), 723-726, 2005. 

が関連しているといわれています。

まとめ

以上、
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という記事でした!

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こんにちは。イッコロといいます。 マイペースに勉強している運動器認定理学療法士です。 大阪府の病院で回復期の整形外科疾患と中枢神経疾患の理学療法を担当しています。