脊柱に機能障害を起こす疾患のまとめ

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この記事では脊柱に機能障害を起こす疾患の原因、分類、治療をまとめています。
現在は脊椎圧迫骨折、脊柱管狭窄症、椎間板ヘルニアについて書いています。
脊柱に機能障害を起こす疾患のまとめ

脊椎圧迫骨折

若年者では高所からの転落など高エネルギーの外力で受傷します。
高齢者では骨粗鬆症がベースとなって低エネルギーの外傷で受傷します。

金田の脊椎損傷分類で分類でき、楔状圧迫骨折破裂骨折があります。

楔状圧迫骨折など神経損傷のない場合は保存療法が選択され、ギプスやコルセットで固定されます。
不安定性の少ない高齢者の骨折では、疼痛や炎症が軽減する2週間後から軟性コルセットを装着して離床を開始します。

破裂骨折や神経損傷がある場合は手術療法(固定術、椎体形成術)が選択されます。

評価とリスク管理についてはこちらの記事に書いています。

脊椎圧迫骨折の評価とリスク管理

2019.01.14

脊柱管狭窄症

脊椎の変性をベースとして脊柱管や椎間孔が狭窄し、馬尾や神経根が絞扼・圧迫されて疼痛、神経症状が生じます。
脊椎の変性は先天的なものもありますが、椎間板や椎間関節および黄色靭帯の肥厚・骨化、腰椎すべり症などの後天的なものが大多数を占めます。

神経症状は馬尾型、神経根型、混合型(馬尾+神経根)に分けられます。

分類自覚症状他覚症状
馬尾型下肢、殿部、会陰部の
異常感覚
多根性障害
神経根型下肢・殿部の疼痛単根性障害
混合型馬尾型+神経根型多根性障害

保存療法が優先的に選択され、症状が重度な場合は手術療法が選択されます。
神経の除圧を目的として除圧術(拡大開窓術や椎弓切除術)が行われ、脊椎の不安定性軽減を目的として後側方固定術が行われます。

評価とリスク管理についてはこちらの記事に書いています。

脊柱管狭窄症の評価とリスク管理

2019.01.07

椎間板ヘルニア

ベースに椎間板の退行性変性があり、さらに椎間板への力学的ストレスが加わることで椎間板の髄核が突出します。
突出した髄核が神経根や脊髄、馬尾を圧迫することで疼痛や神経症状が生じます。

Macnabの分類で髄核の脱出の程度により4つに分類されます。
さらに後縦靭帯の穿破の有無によって5つに分類されることもあります。

  • 炎症の軽減により3か月で疼痛が軽減する
  • 3~6か月で一部のヘルニアが自然縮小する(髄核脱出型や髄核分離型で高頻度にみられる)

これらの理由により、まずは保存療法が選択されます。

保存療法で効果が認められない場合に手術療法が検討されます。
ヘルニア摘出術、椎間板切除術、脊椎固定術が施行されます。

評価とリスク管理についてはこちらの記事に書いています。

椎間板ヘルニアの評価とリスク管理

2019.01.04

頚椎症

頸椎と椎間板の退行変性により、脊柱管の狭窄、椎体辺縁部の骨硬化と骨棘形成、椎間関節の変性・狭小化、靭帯の肥厚・骨化が生じます。

その結果、頸椎のROM制限や頸部痛、肩こりが生じます。
さらに神経根の圧迫による症状(頚椎症性神経根症)脊髄の圧迫による症状(頚椎症性脊髄症)が合併することがあります。

神経症状がない場合や神経症状が軽度の神経根症は保存療法が選択されます。
疼痛が強い場合は頸椎装具で安静を図ったり、神経ブロックが行われます。

症状が重度の場合は手術療法(椎間固定術、前方除圧術、後方除圧術、椎弓形成術)が選択されます。

評価とリスク管理についてはこちらの記事に書いています。

頚椎症の評価とリスク管理

2019.01.11

参考文献

  • 吉尾雅春・小柳磨毅編(2013)『標準理学療法学 専門分野 骨関節理学療法学』奈良勲監修, 医学書.
  • 医学情報研究所編(2018)『病気がみえる vol.11 運動器・整形外科 第1版』メディックメディア.
  • 中村利孝・他編(2011)『標準整形外科学 第11版』内田淳正監修, 医学書院.
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ABOUTこの記事をかいた人

こんにちは。イッコロといいます。 マイペースに勉強している運動器認定理学療法士です。 大阪府の病院で回復期の整形外科疾患と中枢神経疾患の理学療法を担当しています。