効果的な筋力トレーニングのポイント

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筋力トレーニングは理学療法の基本といっても過言ではないくらい行うことが多いです。
そのため、効果の低いトレーニングはかなりの時間を無駄に浪費していることになります。

地域包括ケアシステムの構築にむけて、入院期間の短縮化が進んでいます。
そんな中で効果的なトレーニングを処方し、できるだけ早くパフォーマンスを向上させるのはすごく大切です。

この記事では効果的な筋力トレーニングのポイントを書いています。

ボディービルダー

筋力増強のメカニズム

筋力増強でとくに大切なメカニズムは2つあります。

  1. 筋そのものを強くする筋肥大
  2. 筋と脳の繋がりを強くする神経興奮性の改善

です。

トレーニング初期は神経興奮性の改善、そのあとに筋肥大が起こって筋力が増強します。

筋肥大

筋にメカニカルストレス(トレーニング)を与えて細胞を活性化させると筋が太くなって筋そのものが強くなります。

トレーニングを始めて約30日から筋肥大が起こります。

神経興奮性の改善

脳が「筋を収縮させろ!」という指令を繰り返しだすことで改善します。
これによって神経と筋の繋がりが強化されて筋力が強くなります。

トレーニングを始めて6~10週間に神経興奮性の改善が起こります。

筋力トレーニングの原則

筋力トレーニングには2つの大切な原則があります。

  1. 過負荷の原則
  2. 特異性の原則

です。

過負荷の原則

先ほどの筋肥大のところに書いてあったように、筋肥大を起こすには筋にメカニカルストレスを与える必要があります。
つまり、小さな負荷で楽々とトレーニングしていても効果が薄いのです。

「具体的にどれくらいの負荷が必要なの?」

ということに対しては、筋力トレーニングの負荷の項目でお話します。

特異性の原則

パフォーマンスを向上したい運動と似た動きでトレーニングをすると効果的という原則です。

たとえば、速く走るためにトレーニングをする場合、ゆっくりをした動きでトレーニングをするより素早い動きでトレーニングをする方が効果的です。

ほかの例では、高くジャンプしたいならトレーニングは臥位でするよりも立位でする方が効果的です。

その他の原則

ここで紹介した他には、漸進性の原則意識性の原則などがあります。

ざっくりいうと

  • 漸進性の原則:筋力増強に合わせて負荷を大きくしないといけませんよ
  • 意識性の原則:鍛えている部分に意識を集中するとトレーニング効果があがりますよ

という感じです。

筋力トレーニングの負荷

負荷の大きさには3つの要素があります。

  1. 強度
  2. 筋の収縮時間
  3. 頻度

です。

負荷の大きさはこの3つの要素の合計で決まります

強度×筋の収縮時間×頻度=総負荷
のようなイメージです。

強度が大きければ少ない回数でもトレーニング効果があります。
逆に小さい強度でも多く回数を行えば効果があります。

こんなふうに、3つの要素を組み合わせて十分な総負荷でトレーニングができれば効果があります。

強度

筋力増強には最大筋力の60%以上の強度でトレーニングをする必要があります。
意外とお手軽ですね。

でも、最大筋力の60%の強度を臨床で具体的に数値をみて設定するのは難しいと思います。

そんなときは10RMの強度でトレーニングをするのが実用的です。
1RM(repetition maximum)とは何とか1回だけできるくらいの強度です。
なので、10RMは何とか10回だけできる強度ということになります。

ちなみに15RMの強度が最大筋力の60%と言われています。

筋の収縮時間

トレーニングの強さが十分でも、ある程度は筋収縮を持続しなければ筋力は増強しません。
最大筋力60~70%の強さでは6~10秒の筋の収縮時間が必要です。

たとえば、重量挙げを場合は3秒かけて持ち上げて、3秒かけて下ろすと6秒の筋収縮時間を確保できていることになります。

頻度

トレーニングは1日あたりの頻度と1週間あたりの頻度が多ければ多いほど良いです。

しかし、疲労には注意が必要です。
疲労が蓄積している状態でトレーニングを続けると逆に筋力が低下してしまいます。

まとめ

  • 筋力増強のメカニズムは筋肥大と神経興奮性の改善がある
  • トレーニングには過負荷の原則と特異性の原則という2つの大切な原則がある
  • 総負荷とは強度×筋の収縮時間×頻度で考える
  • 強度は10RMで行う
  • 筋の収縮時間は6~10秒を確保する
  • 頻度は多ければ多いほど良い
  • 疲労の蓄積には注意する

参考文献

  • 市橋則明: 運動療法学 障害別アプローチの理論と実際(第2版).  文光堂. 2014.
  • 奈良勲: 標準理学療法学 専門分野 運動療法学 総論(第3版). 医学書院, 2010.
  • 横山茂樹: 入門講座 筋力トレーニングの効果ー神経因子の改善と筋肥大効果. PTジャーナル, 第52巻5号: 2018
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ABOUTこの記事をかいた人

こんにちは。イッコロといいます。 マイペースに勉強している運動器認定理学療法士です。 大阪府の病院で回復期の整形外科疾患と中枢神経疾患の理学療法を担当しています。