眩暈と前庭リハビリテーションの基礎

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眩暈と前庭リハビリテーションについて、基礎的な部分をまとめました。

眩暈の原因と評価

空間認知をするためには視覚、固有感覚、前庭覚が必要です。

これらの感覚が障害されることにより、平衡障害や動揺視が生じて眩暈が誘発されます。

また、前庭神経核は自律神経系の視床下部へ神経連絡があるため、眩暈によって自律神経反射が起こります。

自律神経反射によって以下の症状が現れます。

  • 嘔気
  • 冷汗
  • 血圧低下
  • 徐脈

また、前庭神経核は空間地図に関わる海馬や情動の中枢である扁桃体といった大脳辺縁系に神経連絡があります。

つまり、眩暈の改善や増悪は精神状態に関わりがあるため、精神状態の安定は眩暈の自覚症状を改善させ、精神状態の悪化は眩暈の増悪因子となります。

眩暈の評価にはアンケート方式の質問票である「日本語版Dizziness Handicap Inventory(J-DHI)」があります。

前庭とは

前庭は頭部の運動方向や加速度を感知する働きがあります。

そのためには内耳にある三半規管と耳石器が機能する必要があります。

三半規管…頭部の空間的な加速度を感知する。

耳石器…重力を含む直線的な加速度を感知する。

これらの働きによって、前庭動眼反射や前庭神経反射が起こり、運動時でも視覚と姿勢を安定させることができます。

【前庭動眼反射】

この反射により、頭部の運動と逆の眼球運動が起こることで運動時でも視覚を安定させることができる。もし、右の内耳の機能が低下すると、左へ頭部を動かしたような前庭神経核の活動の左右差が生じ、実際には頭部が動いていないにも関わらず、眼球運動(眼振)が起こる。

【前庭脊髄反射】

この反射により、前庭神経核からの出力が同側の脊髄前角の運動ニューロンを興奮させることで運動時でも姿勢を安定させることができる。もし、右の内耳の機能が低下すると右半身の筋緊張が低下し、右への体幹偏位が生じる。

前庭障害の発生要因には以下があります。

  • 前庭機能低下症…ウイルス感染などによる前庭神経炎、メニエール病、加齢により生じる。
  • 良性発作性頭位眩暈症(BPPV)…半規管結石症、クプラ結石症により生じる。

前庭リハビリテーションの方法

  • 頭部運動中の固視機能の改善
  • 特異的な頭部運動に慣れる
  • 低下した前庭機能を他の機能で代償
  • 前庭機能の向上

により、眩暈とADLの改善を図ります。

Adaptation exercise

頭部運動中の固視機能の改善を目的として、視線を固定した状態での頭部運動を行います。

具体的には一点を固視したまま頭部を動かします。

Habituation exercise

特異的な頭部運動に慣れることを目的として、眩暈を誘発する運動を繰り返します。

Substitution exercise

低下した前庭機能を他の機能で代償してバランスの向上を図ります。

前庭機能を代償する他の機能には

  • サッケードや追視などの視覚機能
  • 頭部運動より先に眼球を動かす予測機能
  • 頸椎の固有感覚
  • 足底の固有感覚

があります。

スラローム歩行、柔らかいマット上で閉脚立位保持や頭部運動などのバランス課題を行います。

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ABOUTこの記事をかいた人

こんにちは。イッコロといいます。 マイペースに勉強している運動器認定理学療法士です。 大阪府の病院で回復期の整形外科疾患と中枢神経疾患の理学療法を担当しています。